reactance’s diary

音楽、DTM、電子工作を中心に自分の趣味のメモ帳として

バレンタインデー

朝7時、いつもの時間に目覚ましがなる。

一階で鳴り響く音を早く止めるために、急いでロフトを降りる。

「寝起きだからいつか足を踏み外すな」っと思っているが

まだ一度も踏み外したことはない。

そんなこんなで目覚ましを止め、歯を磨く。

出社の準備をしながら作成した音楽の出来を確認するルーティーン。

いつもと変わらない1日の始まり。

 

自分の作った音に文句を言いつつLINEを確認する。

普段は公式アカウントからの通知しか来ないが

今日はいつもより騒がしい。

友達が僕が作った曲の感想を送ってくれていた。

 

作っても作っても聴いてくれる人が増えないなか

僕が音楽を続けられている理由の一つ。

「今回もありがとうございます!」

そんな感謝の言葉を浮かべながらトークルームを開く

 

K『彼女も良かったって言ってたよ!』

そんな一言と彼女とのトーク画面のスクショが目に入る。

 

N『俺も彼女に聞かせたよ〜』

そして彼女とのトーク画面

 

クソが

 

「おまいら彼女いる自慢やめろよw」

そう返信を返そうとした手がピタッと止まる。

 

「彼女がいることは自慢になるのだろうか」

 

高専を卒業してからもうすぐ3年目

21歳童貞

22歳童貞

23歳童貞

あの頃から何も変わらない。

卒業の意味も知らない。

道程には女の影もない。

 

 

朝8時いつものように家を出る。

そしていつものように仕事に取り組む、

とはいかなかった。

今自分が置かれている状況が、本当に正しいのか、

自分が捨ててきたものは、本当は必要だったのではないか、

僕は本当に童貞か。

そんな疑問が頭を回る。

後鼻水がめっちゃ出る。

 

結局変わらないのだ。

高専生の時も、今でも、

ずっと同じ悩みを繰り返している。

もうすぐ3年目だというのに

僕は今だに社会人の皮を被った高専生なのだ。

(皮は被っていない)

 

仕事が手につかないので定時で帰る。

宅配ボックスに身に覚えのない荷物が届いている。

遊戯王カードしか注文した覚えがない。

宛先が自分宛になっていることを確認して恐る恐る封を開ける。

 

チョコレート

 

母親からだった。

「届いたよ〜」

っとお礼のラインを返す。

 

彼らにはまだラインを返せていない。